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ヤナギムシクイ Japanese Name: Yanagi-mushikui

英名 English Name : Two-barred Warbler
学名 Scientific Name : Phylloscopus plumbeitarsus

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16. 2011年5月25日 石川県輪島市

この個体は、コサメビタキ2個体、ムギマキ♀1個体、メボソムシクイ1個体、センダイムシクイ2個体といっしょに行動していた。

一見して2本の翼帯が太く、明瞭である。ただしメボソムシクイでも比較的翼帯の明瞭な個体もいるので、翼帯の特徴だけで同定することは危険である。

顔はメボソムシクイに比べると、可愛く見える。
17. 2011年5月25日 石川県輪島市

この個体の眉斑は目の上あたりの幅が最も広く見える。下嘴は先端まで黄色で、暗色部がない。
18. 2011年5月25日 石川県輪島市

最も外側の初列風切(P10)はメボソムシクイに比較すると長く、初列雨覆より明らかに長い。
19. 2011年5月25日 石川県輪島市

この個体の眉斑の色は、目より前で濃く、目より後ろで淡い。本種の眉斑は一般に全体的に同じような色で、前半部が濃く、後半部が淡いメボソムシクイ、エゾムシクイ、センダイムシクイなどと異なるが、この個体は例外的な個体である。ただし、メボソムシクイ、エゾムシクイ、センダイムシクイに比べると、色のコントラストは弱いように感じられる。
20. 2011年5月25日 石川県輪島市

外弁欠刻は、P5からP8までの4枚にはっきり見られる。Svensson(1992)によると、P5の外弁欠刻は不明瞭な個体もいる。ただし、この記述はヤナギムシクイグループの他種も含めて、P. trochiloidesとして記述されたものである。

この写真ではP9 は分かるが、P10 は隠れて見えない。

文献:
Svensson, L. 1992. Identification Guide to European Passerines. 4th revised and enlarged edition. Stckholm.
21. メボソムシクイ、エゾムシクイ、センダイムシクイの初列風切

上からメボソムシクイ(亜種メボソムシクイP. borealis xanthodryas)、エゾムシクイ、センダイムシクイ。それぞれ外弁欠刻はP6〜P8 までに見られるが、P5の外弁欠刻はほとんど認められない。

一番上のメボソムシクイではP10 は短く、初列雨覆とほとんど同じ程度の長さである。18の写真と比較すると、ヤナギムシクイのP10の長さとの違いが分かる。
22. 2011年5月25日 石川県輪島市
下から見たところ。脚が細く、黒っぽい。下嘴先端に暗色部が見られない。
23. 2011年5月25日 石川県輪島市
ヤナギムシクイの生息環境。

樹冠部があまり密生していない明るい林で見られることが多い。草地で見たことはない。

木の比較的高い位置にいることが多く、1m程度の高さまで下がってくることもあるが、地上付近にいることを観察したことはない。

地鳴きを聞くことはあるが、日本国内で囀りが聞かれたことは、おそらくない。

上の16-22の個体がいた場所は、樹高約8mのクロマツが2本あり、樹高約5mのクロマツが数本あった。林縁に樹高約3mのサクラがあり、林冠部の被度は約70%で明るく、下草や低木が多かった。クロマツの5mくらいの高さにとまることが多く、1mくらいまで降りることもあった。

これまで私が観察したヤナギムシクイはいずれも風向が南から南西の時に確認されており、風に乗って大陸から飛来したのではないかと思われた(渡部 2011)。

今回の個体が観察された日の早朝の風向は北西だった。私が滞在した5月24日から27日までの間に大陸の方角から風が吹いたのはこの日の早朝だけで、あとは北から北東の風が吹いていた。南寄りの風ではないので、北上するには良い条件ではないが、風が北西だったため、他の日に比べるとこの日の早朝は、大陸から飛翔するには良い条件であったのかもしれない。

文献:
渡部良樹 2011. ヤナギムシクイ Phylloscopus plumbeitarsus の日本における記録. 山階鳥類学雑誌 42: 164-174.

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