キマユムシクイ Japanese Name: Kimayu-mushikui

英名 English Name : Yellow-browed Warbler
学名 Scientific Name : Phylloscopus inornatus

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5. 1999年5月12日 石川県輪島市

春の個体では、一般に眉斑は秋に見られるものより黄色みにやや乏しい傾向がある。過眼線は黒っぽいが、耳羽との境界がはっきりしない。これはキマユムシクイではよく見られる特徴であり、カラフトムシクイの過眼線は耳羽との境界が明瞭である。ヤナギムシクイ(亜種フタオビヤナギムシクイ)もカラフトムシクイと同様に過眼線と耳羽の境界がはっきりしており、キマユムシクイとは違った顔つきに見える。
6. 1999年5月12日 石川県輪島市

頭央線は不明瞭であるが、かすかに見える。この個体では喉が褐色みを帯びているが、この種の一般的な特徴とはいえない。
7. 1999年5月12日 石川県輪島市

二本の翼帯は比較的太く明瞭である。また、大雨覆は黒色みが強い。これはカラフトムシクイとの共通の特徴であり、同様に二本の翼帯の明瞭なヤナギムシクイ(亜種フタオビヤナギムシクイ)では、大雨覆はこのような黒色みはない。
8. 1999年5月12日 石川県輪島市

この個体では大雨覆先端の翼帯は太くはっきり見えるが、中雨覆先端の翼帯は不明瞭である。5-8の個体はすべて5月12日に撮影したもので、同一個体が含まれている可能性はあるが、いずれも秋の個体に比べて翼(特に風切羽)の磨耗および褪色が激しく、三列風切の羽縁の淡色部がはっきりしない。これはページ1に示した6月撮影の個体でもよく分かる。
本種では冬羽から夏羽への換羽は部分換羽で(2月-4月に換羽)、通常体羽のみが生え変わり、翼羽は、前年のものがそのまま残るが普通である。そのため、春の渡りの個体では、翼の磨耗のために翼帯が褪色して、白っぽくなり、三列風切羽縁の淡色部は不明瞭いなる。
9 1998年9月30日 石川県輪島市
小林靖英氏撮影

この個体は秋の渡りの時期に撮影された個体で、冬羽と考えられるが、年齢ははっきりしない。翼帯は春のものより黄色みが強い。この個体は眉斑が太くて明瞭であり、耳羽との境界もはっきりしている。このような個体もいるので、他種との識別には注意しなければならない。眉斑の前半は細く、額の部分で両側の眉斑が連結しない。ただし、この特徴も例外がある可能性がある。上面の色は、翼を含め、春の個体より緑色みが強い。
本種の夏羽から冬羽への換羽は、成鳥では全身換羽で、翼を含め、すべての羽毛を変える。しかし幼羽から第一回冬羽への換羽は部分換羽である(文献によって換羽の部分の記載が異なる)。ただし、色彩や羽毛の磨耗度合いによって年齢を判定するのは難しいだろう。

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