ムジセッカ Japanese Name: Muji-sekka

英名 English Name : Dusky Warbler
学名 Scientific Name : Phylloscopus fuscatus

囀りと地鳴きへのリンク(長崎県対馬2007年5月3日に録音)

1. .2004年3月3日 東京都国立市

翼帯は無い。脇や下尾筒は淡褐色。初列風切の突出は三列風切の長さより明らかに短い。カラフトムジセッカを除く他のムシクイ類と異なり、木の高い枝などにはほとんど止まらず、ブッシュの中に潜行することが多い。地鳴きは「チョッ」と聞こえ、ウグイスより湿りけがある。尾は全体的な比率から見て、ウグイスより短い。
2. .2004年3月3日 東京都国立市

1と同一個体。本種の眉斑は前半が細い(カラフトムジセッカでは通常前半が太い)。また、眉斑前半の上縁はやや暗色である。嘴や脚はカラフトムジセッカより細い。体上面はカラフトムジセッカより褐色みがあるが、磨耗した夏羽ではカラフトムジセッカも灰褐色みが強くなる。チフチャフは本種同様、翼帯がなく、初列風切の突出が小さいが、下尾筒は白く、地鳴きも異なる。
3. .2004年3月3日 東京都国立市

1、2と同一個体。下雨覆が褐色である。最外側初列風切(p10)が長い点が分かる・・・かな?最長初列風切はp6(外側から5番目)か、p7(外側から4番目)であり、p8(外側から3番目)はそれより短い(カラフトムジセッカではp8が長い)。
4. .2004年3月21日 東京都国立市・立川市市境付近

手前は立川市で画面奥が国立市。右手は日野市になるが、この画面には写っていない
私の経験や越冬ムジセッカの報告文から、本種の越冬場所は水辺の草地がよく選ばれているようだ。1から3のムジセッカはこの川から100m以上離れることはほとんどなかった。しかし渡り途中の個体は水辺への依存性が顕著に現れるわけではない。
5. .1996年5月21日 石川県輪島市

春の渡り途中の夏羽の個体。ムジセッカは春に夏羽への部分換羽を行う(主として体羽。ときに風切羽と尾羽も)。夏羽は冬羽より灰色みが強い。
6. 1992年10月21日 石川県輪島市

秋の渡り途中の個体。第一回冬羽?第一回冬羽は胸と脇にわずかに黄色みがあり、上面はややオリーブみがある。
ウグイスに姿も声も似ているので、特に冬期の本土部では見逃されている可能性が高い。
7. 2004年11月2日 石川県輪島市

秋の渡り途中の個体。眉斑は通常先細りで後半のほうが色が濃い。眉斑の後半は拡散する。ただしムシクイ類のどの種に言えるが、眉斑の形や色には多少個体差があり、眉斑前半が拡散して太く見える写真を見たこともあるので(ただし稀だろう)、注意が必要と思われる。上嘴は暗色だが、下嘴は赤味のある黄色で先端は暗色である。
8. 2004年11月2日 石川県輪島市

7と同一個体。
9. 2004年11月2日 石川県輪島市

7、8と同一個体。初列風切突出は小さく、チフチャフとの識別にも注意する必要がある。
10. 2004年11月2日 石川県輪島市

9の写真の翼と尾の部分の拡大。
本種の最長初列風切はP6またはP7で、この写真ではP6はP7に隠れて見えない。姿の似ているカラフトムジセッカは、最長初列風切がP8またはP7であり、翼をたたんでいるとき、P7が見にくくなる。
11. 2004年11月2日 石川県輪島市

7から10と同一個体。本種の体下面はカラフトムジセッカに比べると下尾筒の色が、体下面の中で濃く見えることは少ない。
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