学名 Scientific Name : Phylloscopus examinandus
英名 English Name : Kamchatka Leaf Warbler
メボソムシクイは従来、コムシクイやオオムシクイを含む一つの種として扱われてきたが、最近の研究によれば、これらは以下の3つの種に分けられるとされた。さらに、2012年9月に発行された日本鳥類目録改訂7版(日本鳥学会
2012)も、この説にしたがい、メボソムシクイを3種に分けた。したがって、本サイトもメボソムシクイを3種に分けることとするが、当面は、いままでのページがどの種であるか、ページのトップに示すだけとする。
和名: コムシクイ 学名: Phylloscopus borealis 英名: Arctic Warbler
和名: オオムシクイ 学名: P. examinandus 英名: Kamchatka
Leaf Warbler
和名: メボソムシクイ 学名: P. xanthodryas 英名: Japanese Leaf Warble
このページのムシクイは、鳴き声を聞いていないため、今のところオオムシクイと断定はできないが、時期と場所、形態、色彩から考えて、オオムシクイの可能性が高いので、ここではとりあえずオオムシクイとしておく。コムシクイまたはメボソムシクイの可能性がないわけではない。
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20. .2005年5月25日 石川県輪島市 2本の翼帯が明瞭な個体。特に大雨覆先端の翼帯の幅が広く、一見ヤナギムシクイの亜種フタオビヤナギムシクイP. trochiloides plumbeitarsusのように見える。しかし、眉斑は嘴付け根の手前ではっきりと縦に切れており、本種の特徴を表している。脚はヤナギムシクイに比べて太く、淡色である。 下面は黄色みに乏しく、亜種メボソムシクイPh. b. xanthodryasではないように思われる。 |
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21. 2005年5月25日 石川県輪島市 20と同一個体の翼のアップ。 初列風切の外弁欠刻は、p6、p7、p8の3枚に存在し、外弁欠刻がp5からp8までの4枚に存在するヤナギムシクイと異なる(初列風切の番号は内側から数えている)。最長初列風切羽はp7またはp8で、この写真では両者の先端はほとんど同じ位置であるように見える。 | |
22. 2005年5月25日 石川県輪島市 20、21とは別個体。脚が黒っぽく写っているが、翼帯の幅や眉斑の形態、初列風切が長い点は、ヤナギムシクイではなく、メボソムシクイであることをはっきり示している。 この個体も下面の黄色みに乏しく、亜種メボソムシクイではないように思われる。この時期は「ジジロ」という囀りがよく聞かれるので、そのような声で囀る個体群(亜種)なのかもしれない。そのような個体群は亜種メボソムシクイより北方で繁殖する。 | |
23. 2004年9月25日 石川県輪島市 22と同一個体の翼のアップ。 20、21の個体に比較すると、翼帯はやや幅が狭く、大雨覆先端の淡色部(翼帯)は内側大雨覆では見られない。 20、21の個体と同様に外弁欠刻がp6からp8までの3枚に存在することがはっきり分かる。また、p7とp8の先端はほとんど同じ位置にあるように見える。 | |
24. 2006年10月3日 石川県輪島市 眉斑先端が嘴付け根近くで下方に曲がっている。これは2ページめの11から15の個体と同様の特徴であり、このような個体は多くはないものの決して少なくないのかもしれない。 | |
25. 2006年10月4日 石川県輪島市 尾の先端に白色が見える。このような個体は少なからず存在するように思う。 | |
26. 2006年10月4日 石川県輪島市 25と同一個体。体上面や翼羽の磨耗は著しくないように見える。翼帯は2本が明瞭に見え、雨覆の磨耗が進行していないことが分かる。このような個体は第一回冬羽なのかもしれない。 | |
27. 2006年10月4日 石川県輪島市 25、26とは別個体。 上面は灰色みがあり、25、26の個体に比べて褪色が進行しているように思われる。頭部と背に色彩のコントラストがややあるように見える。翼帯は大雨覆、中雨覆ともに不明瞭であり、雨覆の磨耗が進行していると考えられる。風切羽の羽縁は緑色みに乏しい。この写真でははっきり見えないが、他の写真から、25、26の個体に比べて尾の先端の白色は小さく、わずかしか確認できなかった。眉斑はほそめで25、26、28、29に比べて明らかに白っぽい。 | |
28. 2006年10月4日 石川県輪島市 体上面や翼羽の磨耗は著しくないように見える。風切羽の羽縁は緑色みが強い。眉斑の黄色みは27の個体に比べて明らかに黄色みがある(特に前半部)。 | |
29. 2006年10月4日 石川県輪島市 28と同一個体。 25、26の個体に比べ、翼帯はあまり広くなく、中雨覆先端の翼帯はほとんど見えない。大雨覆先端の翼帯は光線によっては、28のようにあまりはっきり見えない。緑色みが比較的強く、眉斑に黄色みがあるので、羽毛の褪色が進行していない第一回冬羽かもしれない。この個体の尾羽先端には明瞭な白色部はなかった。 |