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エゾムシクイ Japanese Name: Ezo-mushikui

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英名 English Name : Sakhalin Leaf Warbler or Eastern Pale-legged Leaf Warbler
学名 Scientific Name : Phylloscopus borealoides

 注) ページ1、2とも囀りによって確認した個体の写真はない。したがって、これらの中にはウスリームシクイ P. tenellipesが混じっている可能性が全くないわけではない。エゾムシクイとウスリームシクイのもっとも確実な識別点は囀りであり、外見上は非常に似ている。外見で識別する方法が提唱されていない訳ではないが、どの説もいまだ決め手に欠けるように私には思える。したがって囀りを聞いていない個体はエゾムシクイとウスリームシクイのいずれであるか、確実に同定することが私にはできない。しかし、過去、この撮影地ではウスリームシクイの囀りを聞いたことがなく、エゾムシクイの囀りのみを確認していることから、エゾムシクイを撮影する確率のほうが高いであろうという推測のもとに、ここではこれらの写真をエゾムシクイ P. borealoidesとして、掲載している。なお、ウスリームシクイP. tenellipesのページに掲載した写真は、囀りを聞いているため、確実にウスリームシクイであると言えると考えている。

5. 2005年5月24日 石川県輪島市

頭の色は背より暗色で、はっきりとコントラストがある。この点は、エゾムシクイの特徴をよく表しているが、ウスリームシクイとの識別点になるかどうかについては、いまだ疑問点があり、私自身は確信が持てない。
 この個体は本種の中では嘴の長さが長めに見える。嘴に付着物があるため、下嘴の色彩はよく分からない。脚の色はこの種としては暗色に見える。エゾムシクイの脚の色は一般に淡色(肉色)といわれるが、個体差があると思われる。
 体下面が下尾筒まで白い点や、眉斑は前半が細くて、全体がほとんど白く、わずかに前半部がバフ色がかっている点は、エゾムシクイの典型的な特徴である。
6. 2005年5月24日 石川県輪島市

5番と同じ写真の大雨覆および風切羽のアップ。大雨覆先端の淡色部は明瞭であり、(フタオビ)ヤナギムシクイとの誤認する可能性がある。もっとも確実な識別点は声であるが、そのほかの点(たとえば脚の色や背の色など)も考慮して総合的に判断することが重要だろう。
 大雨覆先端の淡色部は、少数の個体では内弁に達することもあるらしいので、フタオビヤナギムシクイと識別には役立たないと思われる。
7. 2005年5月27日 石川県輪島市

この写真個体の眉斑は一般的な個体に比べると太い。しかし全体に白味が強い点は本種の特徴である。頭部は背より暗色であり、本種の典型的な特徴を表している。
8. 2005年5月27日 石川県輪島市

写真7と同一個体。下尾筒は白い。この点でセンダイムシクイとは確実に識別できる。
9. 2005年5月27日 石川県輪島市

この個体の眉斑の上縁は暗色に縁取られている。地鳴きはエゾムシクイ、もしくはウスリームシクイのものと一致していた。本種は渡りの途中であっても、下草の茂った林の低層にいることが多く、観察や撮影は困難である。
10. 2005年5月27日 石川県輪島市

写真9と同一個体。眉斑は前半が狭く、全体が白っぽく、また頭部は背より暗色である。これらの特徴は、エゾムシクイに一致する。しかしウスリームシクイの可能性が全くない訳ではない。両種の確実な識別点は今後の研究課題である。

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